AMD Ryzen 9 9950XはRyzen 9 7950Xから28%、Core i9-14900K比では34%向上。定格動作でのBlenderベンチマーク結果が登場
AMDのRyzen 9000シリーズは2024年7月31日に発売されますが、今回この中で最上位モデルのRyzen 9 9950Xを定格のTDP170W、PPT 230Wで動作させてBlenderベンチマークを計測した結果が登場し、Ryzen 9 7950Xから同じ消費電力でありながら大幅な性能向上を記録していることが明らかになりました。

Ryzen 9 9950Xは16コア32スレッドのハイエンドCPUで、16MBのL2キャッシュと64MBのL3キャッシュ(32MB×2)を備え、合計80MBのキャッシュ容量を持ちます。
動作クロックはブースト時には最大は5.7GHzに設定されてていますが、Anandtechの掲示板に掲載されたBlenderベンチマークにはES品のRyzen 9 9950Xが用いられているため、動作クロックは最大5.6 GHzと少し低めで動いています。電力設定は定格設定のTDP170W、PPT230Wで、冷却は水冷クーラーを使用して計測されています。
[table id=58 /]結果はRyzen 9 9950Xは先代のRyzen 9 7950Xに対して27.6%上回り、最大253Wで動作するCore i9-14900Kに対しては33.5%上回るなど非常に高い性能を発揮しています。
Ryzen 9 7950Xに対してRyzen 9 9950Xはコア数やブーストクロックは同じであるにも関わらずIPC向上率の16%を大きく上回っています。これはCCD間の通信速度向上やRyzen 9 9950Xの電力効率の高さが寄与していると言えます。実際にAnandtechに掲載されているスクリーンショットではRyzen 9 9950Xは最大62℃という低い温度で動作しているため、Ryzen 9 7950Xより高い動作クロックの維持が可能となり、結果として同じコア数、動作クロックで28%を超える性能を発揮できていると考えられます。
なお、今回のベンチマークはES品が用いられているため市販版ではこれを上回るスコアが期待できます。また、定格運用でもこれだけ高いスコアを記録しながらCPU温度には余裕があるため、PBOなど高いCPU温度や消費電力まで許容する設定においてはさらに高い性能が期待できるなど、Ryzen 9 9950Xは今までにないぐらい高い性能が期待できるCPUになっています。
AMDのRyzen 9 9950XはRyzen 9 7950Xに対してコア数、動作クロック、TDPなど変わっておらず、性能向上や電力効率が最も小さくなるのではないかと考えられていましたが、性能向上に関しては他のRyzen 9000シリーズが先代に対して10~15%台を記録するなか、30%に迫る性能になるなど非常に高く最上位モデルに恥じない出来栄えになっています。
これぐらい高い性能であればRyzen 9 5950Xからの乗り換えはもちろんのこと、Ryzen 9 7950Xユーザーも乗り換えを検討してもいいレベルかも知れませんが、まだリークですので最終判断は市販版を使った第三者によるレビュー結果まで待つ必要はあります。
Zen 5 Speculation (EPYC Turin and Strix Point/Granite Ridge - Ryzen 9000) | AnandTech Fourms
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