Ryzen 7 9800X3D を5.5 GHzで動作させたベンチマークが登場。Core Ultra 9 285K 超えのシングルコア性能を発揮

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Ryzen 7 9800X3D を5.5 GHzで動作させたベンチマークが登場。Core Ultra 9 285K超えのシングルコア性能を発揮

AMDは、Zen 5アーキテクチャにゲーミング性能を大幅に強化する3D V-Cacheを追加したRyzen 7 9800X3Dを2024年11月7日に世界各国で発売予定です。そのRyzen 7 9800X3Dを最大5.5 GHzにオーバークロックした状態で計測されたGeekbench 6の結果が、発売前に登場しました。

Ryzen 7 9800X3Dは8コア16スレッドで構成されるCPUで、3D V-Cacheを搭載することでL3キャッシュ容量が96MBに増え、L2キャッシュと合わせて合計104MBのキャッシュ容量を持ちます。また、従来の3D V-Cacheの構造をCCDの上から下に配置することで放熱性が向上し、動作クロックの定格ブースト最大が5.2 GHzに向上しています。この構造によりCPUの最大動作温度(Tjmax)は89℃から95℃に上昇し、これまで不可能だったオーバークロックも可能になっています。

そのRyzen 7 9800X3Dを、今回のベンチマークでは定格最大の5.2 GHzから5.5 GHzにオーバークロックした状態で計測し、シングルコアで3473ポイント、マルチコアで19216ポイントを記録しています。

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定格時のRyzen 7 9800X3Dのベンチマークは、シングルコアが3339ポイント、マルチコアが18560ポイントであるため、5.5 GHzにオーバークロックすることでシングルコアは4%、マルチコアは3.5%と、動作クロックの向上分に近い伸びを記録しています。

特に、5.5 GHz時のシングルコア性能は非常に高く、Ryzen 9 9950Xを3%、Core i9-14900KSを9%、Core Ultra 9 285Kを1%上回るなど、非常に高い性能を記録しています。そのため、シングルコア性能が重視されるゲームでは、3D V-Cacheの効果も相まって、Core i9-14900KSやRyzen 7 7800X3Dを大きく超えるパフォーマンスが期待できそうです。

また、マルチコア性能も高く、5.5 GHz時にはコア数が多いRyzen 9 9900XやCore i7-14700Kに迫る性能を発揮しており、クリエイティブ用途でのパフォーマンスも期待できる結果となっています。

Ryzen 7 9800X3Dに関して、AMDは先代のRyzen 7 7800X3Dに対してゲーミング性能が8%、クリエイティブ用途では約15%性能向上することを公式に発表しています。ただし、これは定格状態での結果であるため、高性能な空冷や水冷を用いてオーバークロックを行えば、今回のGeekbench 6の結果のように非常に高い性能を発揮できると考えられます。そのため、オーバークロックするメリットが大きいCPUになるかもしれません。

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ソース

ASUS System Product Name (AMD Ryzen 7 9800X3D 8-Core Processor) | Geekbench 6

https://browser.geekbench.com/v6/cpu/8633320

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『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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