2019年に登場したComet Lakeが復活。Core i5-110として発売
IntelのCPUは2023年からCoreとCore Ultraブランドに見直され、最近では第2世代Core UltraシリーズにあたるArrow Lakeが投入されていますが、なんと5年前に発売されたCore iシリーズの第10世代にあたるComet Lakeが2025年9月に新モデルとしてIntelのラインアップに追加されたことが明らかになりました。
中身はIntel 14nm+++を採用するCore i5-10400のリネーム品
Intelが新たに追加したモデルはCore i5-110と呼ばれるモデルで、2025年Q3つまり最近リリースされたことが明らかにされています。
Core i5-110 | Core i5-10400 | |
---|---|---|
アーキテクチャー | Comet Lake | Comet Lake |
プロセス | 14nm+++ | 14nm+++ |
コア/スレッド | 6コア / 12スレッド | 6コア / 12スレッド |
ベースクロック | 2.9 GHz | 2.9 GHz |
ブーストクロック | 4.3 GHz | 4.3 GHz |
L3キャッシュ | 12MB | 12MB |
TDP | 65W | 65W |
内蔵GPU | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 |
対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2666 |
ソケット | LGA1200 | LGA1200 |
このCore i5-110はモデル名が大きく変わっていますが、Core i5-10400に対して動作クロック含めてすべて同一であり単純なリネーム品であると見られており、性能向上などは一切見られないと考えられています。
リネームはOEMへの配慮?
Intelは2023年のブランド再編で、上位を「Core Ultra」、下位を「Core(Series 1)」とし、型番表記も「Core 5 120」のような3桁へ移行しました。一方で、今回の製品は「i5-110」という“i”を冠した番号を採用し、Series 1(下位ブランド)の製品コレクションに属しながら、旧来の命名風を踏襲しています。命名の混在は、既存のユーザーや購買担当者にとって分かりづらさを生みかねません。
背景としては、Windows 11要件を満たす低価格帯デスクトップ需要の取り込み、14nm世代の在庫・設備の活用、OEMの長期プラットフォーム維持ニーズへの対応などが考えられます。実際、Intelは近頃「Core 5 120/120F」を静かに投入していますが、こちらも第12世代Alder Lake相当(Core i5-12400系に近い仕様)と報じられるなど、“旧世代シリコンの再活用”を示唆する動きが見られます。
その一方で、ブランド体系の理解は難しくなっています。たとえば「Core Ultra」はMeteor Lake(第1世代)とArrow Lake(第2世代)に付与される一方、「Core(Series 1)」にはAlder Lake系や今回のComet Lake系の再活用品が含まれる、といった具合です。名称だけでは世代感や機能差(PCIe世代、メモリ規格、内蔵GPUの機能など)を直感しづらく、初見では非常にわかりづらい構成になりつつあります。そのため、購入時はソケットや対応メモリ、PCIeの世代などを見てどの世代のCPUなのか、また対応プラットフォームなどを必ず確認することをおすすめします。
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