NVIDIAのGeForce RTX 5090とRTX 5080 Founders Editionが生産終了
NVIDIAのGeForce RTX 50シリーズの中でも、メーカー自らが設計、製造を手掛ける「Founders Edition (FE)」は、その洗練されたデザインやコンパクトさから高い人気を誇ります。しかし現在、このFounders Editionの上位モデルであるRTX 5090とRTX 5080が、米国や英国など主要国のNVIDIA公式サイトから唐突と姿を消したことが明らかになりました。
各国でRTX 5090とRTX 5080 FEの存在が消える
NVIDIAのRTX 5090およびRTX 5080 FEは2024年1月30日から一部の国で販売されていた人気モデルで、販売されている国ではNVIDIA公式サイトから購入することが可能になっていました。しかし、数日前からRTX 5090とRTX 5080 FEを中心に、FEラインアップが各国で大幅縮小されているようです。
- 米国・英国:RTX 5070 FEのみがリストに掲載されており、RTX 5090 FEとRTX 5080 FEはページごと削除されています。
- カナダ:全てのRTX 50シリーズFEモデルがリストから消えています。
- ドイツ:RTX 5080 FEとRTX 5070 FEは引き続き販売されています。
- インド:RTX 5090 FEを含む全てのFEモデルがリストに掲載されたままです。
- 日本:そもそも販売されていない。
RTX 5090とRTX 5080 FEは発売当初から定価販売が実施されている上に、高品質かつコンパクトなデザインから一般ユーザーからMini-ITXサイズに組み込むために重宝されているモデルであり、人気がありました。そのため、発売以降、在庫切れが頻発していましたが、不可解な点は在庫切れの場合、NVIDIAは各ページに「在庫切れ」と表示するだけで、過去に製品ページ自体を削除することはありませんでした。しかし、今回は製品ページ自体が削除されていることから、在庫切れではなく製品自体の生産が終了または販売が止められていることを示唆しています。
NVIDIA Founders Editionを縮小する可能性?
NVIDIAは2026年以降、現行RTX 5000シリーズのリフレッシュ版にあたる GeForce RTX 5000 SUPER の投入を計画しているとみられており、早ければ2025年内にも一部SKUの生産終了が噂されています。RTX 5080 FEが削除されたのはその準備の一環とも考えられますが、最上位の5090 FEまで消えていることから、FEシリーズそのものの縮小も視野に入っていると見られます。
Founders Editionは、基板から冷却機構までNVIDIA独自設計で仕上げられており、デザイン性や省スペース性の高さから自作PCユーザーに人気があります。価格も定価販売が基本で、AIBパートナー製品に比べ流通初期の安定供給を担う存在でもあります。しかし、AIB各社にとっては価格競争上の「お手本」となる反面、直接のライバルとも言える存在であり、必ずしも歓迎されていませんでした。
高コスト設計が影響か
特にRTX 5090と5080 FEは、一般的な1枚基板ではなく3枚基板を連結する特殊構造を採用し、冷却機構も高コストな設計となっています。これにより製造コストは上昇し、NVIDIAとしては採算が取りにくい製品だったとされます。
競合のAMDはRadeon RX 9000シリーズでリファレンスカードを投入していないこともあり、NVIDIAがFounders Editionの展開を縮小したとしても市場環境的には不自然ではない状況です。
なお、日本では従来からFounders Editionは販売されておらず、今回の動きによる直接的な影響はありません。とはいえ、Mini-ITX対応のコンパクトなリファレンス設計を求める国内ユーザーも少なくなく、「多少価格が高くても入手したかった」という声は根強いのも事実です。
現時点でNVIDIAから公式な発表はなく、今回の削除が一時的なものか恒久的なものかは不明です。ただ、FEシリーズの存在意義や製造コストを考慮すると、このままラインアップ縮小が進んでも不思議ではなく、今後の動向が注目されます。
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