AMDのZen 6搭載APUのリーク情報も登場
AMDは2026年末から2027年にかけて、Zen 6アーキテクチャーを採用するノートPC向けAPUを投入する予定とされています。今回、そのZen 6搭載APUに関するリーク情報が登場し、特に内蔵GPUまわりの仕様が明らかになりました。

AMD RDNA 5 GPUのスペックがリーク。デスクトップ向けにLPDDR5Xを搭載しVRAM大容量化とコスト低減を両立へ
前回取り上げたディスクリートGPU向け製品に続き、今回は Moore's Law is Dead がリークしたノートPC向けAPUに関する情報を中心に紹介します。
ミドルレンジ向け「Medusa Point」
Medusa Pointはハイエンド寄りのノートPC向けAPUとして計画されており、CPUはZen 6を4コア、Zen 6cを4コア、Zen 6 LPを2コア搭載し、標準構成は合計10コア。さらに上位仕様では12コアのCCDを追加するチップレット構成となり、最大22コアを搭載する見込みです。
内蔵GPUはCPU構成に関わらず共通でCUを8基搭載。登場初期は現行Strix Pointと同じくRDNA 3.5を採用し、2028年のリフレッシュモデルでRDNA 5へ更新される可能性もあるとされています。
名称からはStrix Pointの後継に見えますが、内蔵GPU性能はむしろ低下しており、実際にはKraken PointをベースにCPU性能を強化した位置づけとなるようです。
ハイエンド向け「Medusa Halo Mini」
Halo系APUは高性能な内蔵GPUを特徴とする製品群で、2025年初頭のStrix Haloに続き、その後継としてMedusa Halo MiniとMedusa Haloの2モデルが計画されています。
下位版のMedusa Halo Miniは、CPUにZen 6を4コア、Zen 6cを8コア、Zen 6 LPを2コア搭載し、合計14コア構成。内蔵GPUにはRDNA 5ベースのCUを24基搭載し、128-bitのLPDDR5Xメモリーに対応します。
ソケットはFP10を採用しており、OEM各社がMedusa Pointの上位製品として組み込み可能です。Kraken Pointの後継がMedusa Pointであることを踏まえると、Strix Pointの実質的な後継はMedusa Halo Miniと位置づけられそうです。
フラッグシップモデル「Medusa Halo」
Medusa HaloはAPUのフラッグシップモデルとして位置づけられています。CPUにはデスクトップ向けと同じZen 6を12コア搭載し、さらにI/Oダイ内のZen 6 LPを2コア加えて14コア構成。加えて12コアを追加することで最大26コア構成となる模様です。
内蔵GPUはRDNA 5ベースのCUを48基搭載し、384-bitのLPDDR6または256-bitのLPDDR5Xを採用することで非常に広いメモリ帯域を確保できる設計となっています。
ディスクリート製品とハイエンドAPUはGPUを共通設計に?
Moore's Law is Deadによると、今回のRDNA 5搭載APUは、ディスクリートGPU向けのAT3・AT4 GPUと同じメモリバス幅が採用されるなど、共通設計が取り入れられている可能性があるとのことです。
これはまだ確定情報ではありませんが、もし事実であれば、高コストな3nmプロセスを用いた製品でもコスト低減が可能となり、APUとディスクリートGPUの双方にメリットがあります。これにより、年々高騰するグラフィックスカードの価格上昇に歯止めをかけ、NVIDIAに対抗できる競争力を確保できる可能性があります。
そのため、コンシューマー向けグラフィックス市場またノートPC市場でAMDは存在感を一層高めることが期待されますが、今後の追加情報に注目が集まります。
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